日本の子供は睡眠時間が短い?年齢・年代別の平均や理想の時間を調査

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近年、日本の子供の睡眠時間は短いと言われていますが、実際のところ子供の平均睡眠時間はどのくらいなのでしょうか。

そして子供の睡眠時間が短いとどのような悪影響があるのでしょう。子供の平均睡眠時間と理想の睡眠時間を年代別にまとめました。

日本の子供は睡眠時間が短い!?

最近、日本の子供の睡眠時間が短いことが問題視されており、他国の子供の睡眠時間と比較したデータを見てもその差は顕著に表れています。

乳幼児だけに注目してみると、フランスやドイツなど他数か国で22時以降に就寝する子供が全体の1~2割程度であるのに対して、日本は約半数の子供が22時以降に就寝することがわかっています。

外国人の中には、子供の睡眠不足の原因が日本の睡眠のスタイルにあるのではないかと指摘する人もいます。日本特有の睡眠スタイルと言えば『川の字』ですよね。

日本では親子の触れ合いが大事だと考え、親子で一緒に眠る習慣があります。しかし、赤ちゃんの頃から子供を一人で寝かせるアメリカでは『川の字』スタイルはありえないようです。

親が隣にいるのでなかなか寝付けない。寝入った後も親のいびきや寝返りで起こされてしまう。一人で子供を寝かせる習慣のある外国人はこのように思うのだそうです。

では本当に日本の子供は睡眠時間が短いのでしょうか。子供の睡眠時間を年代別に見ていきましょう。

年代別子供の平均睡眠時間【乳児】

乳児とは0歳から1歳くらいまでの赤ちゃんのことを言います。この頃はまだおっぱいを飲むと眠ってしまう赤ちゃんが多いので、睡眠時間が極端に短い子供は少なく平均睡眠時間は約12時間です。

月齢が低いほど睡眠時間が長く、3ヵ月くらいまでは昼夜問わず20時間ほど眠る子供もいます。昼と夜のリズムが逆転することもあり、眠るのは夜とは限りません。

6ヵ月を過ぎる頃に少しずつまとまって眠るようになり、生後6ヵ月から9ヵ月の睡眠時間は13時間から15時間と言われています。

1歳の誕生日を迎える頃には、運動したり食事をしたりすることで生活のリズムが整い、夜にまとまって約12時間ほど寝るようになります。

この時期にしっかりリズムをつけておくと、今後早寝早起きの習慣がつけやすくなりますよ。

年代別子供の平均睡眠時間【幼児】

1歳から3歳の子供を幼児と考えたときの平均睡眠時間は約10時間と言われています。

最近では多くの幼児期の子供の就寝時間が22時から23時となっており、世界各国に比べてもかなり遅寝だと指摘されています。

年齢別に見ると1歳児の平均睡眠時間は約11時間、2歳児で10時間30分、3歳児で10時間とかなり短いです。

運動が活発になり、赤ちゃんを徐々に卒業しつつある幼児期ですが、まだまだ睡眠は必要です。

朝起きてグズグズ言ったり、ご飯がなかなか食べられないのも体調不良ではなく睡眠不足によるものかもしれません。

この時期はお昼寝をする子供が多いですが必要なのはどちらかというと夜間の睡眠です。就寝時間が遅くなるようなら、一度お昼寝の時間を見直してみましょう。

年代別子供の平均睡眠時間【園児】

保育園や幼稚園に通うようになった4歳児の平均睡眠時間は約10時間です。園生活が始まり早起きの習慣ができるようになったせいか、3歳のときより早く寝るようになった子供もいます。

運動量が増え、子供なりに友だち関係での気疲れもあるので朝までぐっすりと寝るようになってきます。

それでもまだ生活リズムが整っていない4歳児の中には就寝時間が22時を過ぎる子供もいるようです。さらに心と体が成長した5歳児の平均睡眠時間は9時間から9時間半くらいです。

このくらいの子供はお昼寝をしてしまったら夜はなかなか寝付けなくなります。日中に体をうんと動かして日光を浴びておくと、良い具合に疲れてぐっすり眠れるでしょう。

年代別子供の平均睡眠時間【小学生】

小学生は学年によって平均の睡眠時間が違ってきます。低学年までは体力的にも生活スタイルも今までとあまり変化がなく、平均睡眠時間も園児とほぼ変わらない約9時間30分から10時間となっています。

そうかと思えばグッと体力がついて寝なくなる子供もいます。同じ年代の中で、寝つきの良い悪いに差が出てくるので睡眠時間が短い子供は運動量を増やすなどした方が良いでしょう。

高学年でも4年生の平均睡眠時間は約9時間30分から10時間と、低学年と変わらないほど睡眠をとっている子供が多いです。しかし、この頃から週末に夜更かしをする子供が増えてきます。

翌日早起きをしなくても良いので、いつもより遅くまで起きてゲームをしたりテレビを観たりと、日によって睡眠時間にばらつきが出てくるようになります。

5、6年になると大人に近い体格の子供も出てきて、体力も大人とそれほど変わらなくなります。5年生で平均睡眠時間は約9時間になり、6年生になるとさらに1時間短い8時間となります。

5、6年になると親が寝るように言っても寝ないことが多いです。自分の部屋でスマホやゲームをしているうちに23時や0時になってしまうこともあるのです。

年代別子供の平均睡眠時間【中学生・高校生】

子供の睡眠時間は年齢が上がるごとに短くなり、中学生になると平均睡眠時間は約7時間となります。あくまで平均ですので、8時間や9時間寝る子供もいるでしょう。

しかし中学生は最も勉強をする時間が長い年代だと言います。小学生から中学生になると学習内容がいきなり難しくなったり、定期テストの勉強や受験勉強もしなくてはいけません。

クラブ活動に力を入れている子は、部活が終わって疲れて帰って来てから夜遅くまで勉強しなくてはいけないので、睡眠時間が短縮されるのも仕方ないかもしれません。

高校生ではさらに平均睡眠時間が6時間から8時間となり、ほどんど大人と同じような生活スタイルになります。

社会勉強のためにアルバイトを始める子もいますし、交友関係が広くなり放課後に遅くまで遊ぶことも増えるでしょう。

もちろん学生は勉強が第一なので勉強する時間も確保しなくてはいけません。高校生ともなると、十分な睡眠時間を確保するのが非常に難しくなってきます。

中高生になると睡眠時間より睡眠の質を考えなくてはいけないのです。

睡眠時間の短さが子供に及ぼす影響

肥満

睡眠時間が短いと脂肪を分解する成長ホルモンの分泌量が減ってしまいます。そのため脂肪が体に溜まりやすくなり肥満になる可能性が高くなります。

3歳で睡眠時間が9時間未満の子供の約20パーセントが肥満であるとの報告がなされています。将来の健康を考えると、睡眠不足による肥満は避けたいものですね。

うつ・情緒不安定

睡眠時間が短いと自律神経が乱れ、脳が休むことができなくなります。そのためイライラしたり怒りっぽくなったりと情緒不安定になるのです。ひどくなるとうつになるケースもあるのです。

子供の不登校は生活習慣の乱れが原因となることもあります。心の健康のためにも、子供にしっかり睡眠をとらせてあげましょう。

学力低下

人は眠っている間に日中使った脳をしっかり休めなくてはいけません。睡眠不足で脳に疲労を溜めたままだと機能が低下することがあります。

そのために記憶力が著しく悪くなったり、頭が働かず授業に集中できないという弊害が出てきて、最終的に学力低下へ繋がってしまうのです。

体の成長の遅れ

体の成長を促進させる成長ホルモンは入眠後2、3時間後に分泌されます。

分泌される量は眠りの深さに関係していて、この2、3時間の間にどれほど深い眠りについているかで成長の速度が変わってくるのです。

睡眠不足の子供が低身長で悩むという話もあります。高学年から思春期にかけて睡眠時間が減りますが、実はこの成長期こそきちんと睡眠をとらなくてはいけない時期なのです。

年代別子供の理想的な睡眠時間【乳児】

新生児から生後3ヵ月くらいまでは14時間から17時間の睡眠をとるのが理想です。

眠っているのに泣いている子や、おっぱいを飲みながら眠っている子もいるので、しっかり寝ていなくてもちゃんと睡眠はとれています。

個人差はありますが最低限11時間から13時間ほど確保できれば成長には問題ないでしょう。

生後4ヵ月から1歳くらいになると、今までより睡眠時間が2、3時間減る赤ちゃんが多いです。

理想の睡眠時間も12時間から15時間になりますが、まだまだお昼寝も長いので夜間にそれほど寝てくれないかもしれませんね。

夜間は少なくとも10時間から11時間の睡眠をとらせてあげるように心がけましょう。

年代別子供の理想的な睡眠時間【幼児】

1歳から3歳までの幼児期は、日中は活動し夜間は眠るという体内時計の基本を作る大事な時期です。日中は外でよく遊ばせてほどよく体を疲れさせましょう。

お昼寝は少しずつ短くした方が良いですね。この頃の理想の睡眠時間は11時間から14時間です。

しかし理想的な睡眠時間を確保するためには夕方6時ごろに寝かしつけなくてはなりません。

生活リズムの違う兄弟などがいて夕方は慌ただしく、その時間の寝かしつけが不可能であれば最低限9時間から10時間の睡眠は確保するようにしましょう。そうすれば健康に影響はないかと思います。

年代別子供の理想的な睡眠時間【園児】

4歳から5歳の園児の理想的な睡眠時間は10時間から13時間です。保育園や幼稚園に通い始めた子供は、朝遅くまで寝ていることができなくなるので夜は遅くとも21時くらいまでに寝かせたいですね。

しかし保育園でたっぷりお昼寝をする子供は寝つきが悪くなってしまいます。

日中はたくさん遊ばせて体を疲れせましょう。そして晩ご飯を食べてお風呂に入ったあとは、お布団に入って眠るといった生活リズムを作ってあげることで、極端に遅寝になることは避けられるはずです。

睡眠時間が足りない子供は朝、幼稚園に行くのを嫌がることもあります。少なくとも8時間から9時間は寝かせてあげたいですね。

年代別子供の理想的な睡眠時間【小学生】

小学生の理想の睡眠時間は約9時間から11時間です。1年生だと慣れない学校生活で疲れ果て、帰ってきたらお昼寝をしてしまう子供もいます。

初めのうちは仕方ないですが、小学生くらいになると昼寝をすると夜なかなか寝れなくなってしまいます。

早寝早起きのリズムが崩れないよう、お昼寝をするなら10分で起こすようにしましょう。10分間でも意外と頭がスッキリするものです。

3、4年生くらいになると『第二次成長期』を迎えます。女子でだいたい10歳くらい、男子だと11歳から12歳頃に始まります。

女子の初潮や男子の声変わりが第二次成長期の大きな特徴ですが、この時期にしっかり睡眠をとっておかないと、成長が遅れたり身長が止まってしまったりします。

塾や習い事と忙しくなる年代ですが、睡眠も大事であることを覚えておきましょう。

年代別子供の理想的な睡眠時間【中学生・高校生】

中学生や高校生の理想の睡眠時間は8時間から10時間であるのにも関わらず、実際の中学生の平均睡眠時間は約7時間、高校生は約6時間という結果で、中高生は全体的に睡眠がまったく足りていないことになります。

勉強や部活、高校生ならアルバイトなどすることが増える時期ですが、それでも睡眠はきちんととった方がよいのです。

小学3、4年生で始まる第二次成長期は17、8歳で終わりを迎えます。例外はあるものの多くの子はこの時期に身長が止まってしまいます。

勉強にしても、脳が記憶するのは寝ている間なのです。せっかく勉強しても睡眠をとらなくては覚えが悪くなってしまいます。たくさん寝ることが良い成績につながるのです。

子供の睡眠時間が短い原因

乳児から小学生までの子供の睡眠時間が短くなっているのは親の生活スタイルが影響しているとも言えます。共働きの家庭は帰りが遅く、夕食やお風呂の時間も遅くなってしまいます。

核家族化が進み祖父母が面倒を見てくれる家庭は少なくなりました。子供が夜型の生活リズムに合わせなくてはいけないのが原因でしょう。

中学生や高校生が夜更かしする理由で圧倒的に多いのはスマホです。友達とのチャットが夜中まで終わらなかったり、日付が変わるまでゲームを続けてしまうのです。

自立させようと自分の部屋を与えるのは良いですが、部屋の中では何をしているかわかりません。スマホやテレビは何時までにするかなどのルールを決めておいた方がよいですね。

子供の睡眠不足を改善する方法

睡眠をしっかりとるにはまず体内時計を合わせる必要があります。毎日同じ時間に起床し、日光を浴びましょう。

1、2週間も続けると体内時計が合ってくるので自然と朝起きられるようになります。そうすると自ずと夜も眠たくなり夜更かしすることが難しくなります。

小学生までの子供なら、親がこのように生活リズムを作ることで睡眠がとれるようになります。

では中高生はどうすればよいでしょう。ベストな方法は睡眠の大切さを教えてあげることではないでしょうか。

思春期になると自分の容姿が気になり始めます。男子には、睡眠不足によって身長が伸びなくなること、女子なら睡眠不足が肌荒れや肥満の原因になることを伝え、危機感を持ってもらうと良いでしょう。

スマホのルールを決めて時間を制限するのも良い方法です。

《まとめ》寝ることにはメリットがいっぱい!

子供は夜更かしが大好きです。どんなに小さい子供でも「寝るのがもったいない!もっと遊んでいたい!」という感情を持っています。

今では「早く布団で眠りたい・・・」と思っている大人たちだって、子供の頃は夜更かしが大好きだったはずです。

なので夜更かしのワクワクする気持ちを理解してあげつつ、睡眠の大切さを子供に教えてあげることが必要なのではないでしょうか。

睡眠にはいろいろなメリットがあります。成長を促したり、学習能力をアップさせます。睡眠不足は美肌の天敵です。

風邪や熱のときは寝ることが一番の薬になります。小さな子供には「寝るといいことがあるよ」と教えてあげましょう。夜更かしはご褒美として、年に一度の大みそかまで取っておくのもよいですね!

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